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中小製造業の4P・4C活用|顧客の選ぶ理由を確かめ、商品と営業を磨く実践方法(後編)

2019 1/24
マーケティング
2019年1月24日2026年10月16日
マーケティングミックス(4P/4C)の具体事例とヒット商品のつくり方(後編)

皆さま、こんにちは。西本文雄です。いつも株式会社 事成すのサイトをご覧いただき、ありがとうございます。

「うちの技術の良さは、見てもらえば分かる」。そう思って説明したのに、話が先へ進まない。試作品には興味を持ってもらえたのに、その後の返事がない。ものづくりに力を注いできた会社ほど、もどかしく感じる場面ではないでしょうか。

そんなときは、説明が足りないと決める前に、お客さまが何を確かめ、何を心配し、どんな条件で選ぶのかを考えてみたいのです。性能は伝わっていても、図面の相談の仕方が分からないのかもしれません。試す条件や、購入後の対応が見えないことも考えられます。

今回の結論は、商品・価格・届け方・伝え方を、お客さまの価値・負担・使いやすさ・対話と照らし合わせ、実際の反応から直していくことです。4Pと4Cは、そのための話合いを助ける道具になります。表を埋めて終わらせず、次の仕事を一つ変えるところまで使ってみましょう。

前編では基本の考え方を取り上げました。後編となる今回は、牛乳を題材にした販売シナリオを振り返り、さらに製造業の試作、見積り、納品後の対応へつなげます。用語が久しぶりでも読み進められるよう、最初に対応関係を整理しておきます。

皆さまが日々重ねている技術の工夫や、丁寧な対応。その価値が相手の仕事に届くよう、一緒に見直していきましょう。どうぞお付き合いくださいませ。

目次

マーケティングミックスの4P/4Cの使い方

4Pは会社が何を、いくらで、どのように届け、知らせるかを考える視点です。4Cはそれを、お客さまにとってどんな価値があり、どんな負担があり、利用しやすく、相談しやすいかという視点から確かめます。ここでは、両方を並べて仕事を見ていきます。

売り手の準備と、お客さまの受け止め方を並べる

まず、基本の対応を確認しましょう。4Pと4Cは、どちらか一方を選ぶためのものではありません。同じ商品やサービスを、提供する側と受け取る側から見直すために使います。中小機構も、4Pを検討する際に顧客の視点を意識する考え方として、4Cとの対応を紹介しています。中小機構「マーケティングの4P」

会社が準備する4P お客さまから確かめる4C 製造業で話し合う問いの例
Product:商品・サービス Customer Value:顧客価値 この加工や対応が、相手のどの仕事に役立つか
Price:価格 Cost:顧客の負担 代金のほかに、確認・手配・使い始める負担はないか
Place:流通・届け方 Convenience:利便性 相談、注文、受入れ、再注文が進めやすいか
Promotion:販促・伝え方 Communication:対話 必要な情報が届き、疑問を相談できるか

例えば、「高精度の加工ができます」は、会社の能力の説明です。そこから一歩進めて、その精度が相手の組立や検査にどう関わるかを聞いてみる。何を満たせば使えるのかが分かれば、伝える情報も、試作で確かめる内容も変わってきます。

また、顧客の負担は購入代金だけではありません。マクロミルの解説でも、利用にかかる時間や労力などを含めて顧客コストを捉えています。価格の欄を埋めたら終わりにせず、選び、使うまでの手間にも目を向けてみてください。マクロミル「4Cとは」

製造業なら、図面の確認が何度も必要になる、社内評価に使う資料がそろわない、納品後の問合せ先が分からない、といった負担が考えられます。単価だけを下げる前に、相手が困っている仕事を聞く余地がありそうですよね。

知る・選ぶ・使う・また頼む、という流れへ置く

元記事では、商品を知り、購入し、使い、ファンになるまでの流れと、4P・4Cを交差させました。考えたいのは、その段階ごとに、お客さまが次の行動を取れる準備ができているかということです。

ただし、お客さまが順番どおりに進むとは限りません。調べた後で比較に戻ることもあれば、別の担当者が途中から確認することもあります。再注文の際に、改めて仕様や納期を検討することもあるでしょう。一本道を想定しすぎないようにしたいですね。

そこで、表には「次の段階へ進ませる施策」だけでなく、「相手が判断するために必要なこと」を書きます。知る段階なら、自社が何に対応する会社なのか。選ぶ段階なら、使える条件と確認方法。使う段階なら、受入れや取扱いの情報。また頼む段階なら、変更点と相談先です。

ファンになってもらうという言葉も、相手にいつも好意を示してもらうことまで求めるものではありません。企業間の取引なら、困ったときに相談できる、次も候補として検討できる、安心して仕事を任せられる。そのような関係を具体的な仕事から育てていく、と考えると使いやすくなります。

BtoBでは、相手企業の中の誰が判断するかも見る

技術担当者が使えると判断しても、購買担当者は取引条件を確かめたいかもしれません。品質を確認する人、実際に使う人、費用を決める人が別の場合もあります。「お客さまは満足しているはず」とまとめる前に、誰の何が確認できたかを分けてみてください。

例えば、試作品を渡した後の返事がないときです。性能に不満があるとは限りません。評価する設備が空いていないのか、社内で比較する条件が決まっていないのか、そもそも使う予定が先なのか。相手の事情を聞かなければ分からないところです。

ここで大切なのは、確認する相手を増やすことだけではありません。窓口の方が社内で説明しやすい情報を整えることです。試作の目的、測定した条件、対応範囲、見積りの前提がそろっていれば、相手も社内で話を進めやすくなります。

想像したことと、確かめたことを分けて書く

お客さまの立場で考えるときには、想像力が必要です。ただし、よかれと思って考えた案を、そのまま相手の気持ちと決めないようにしましょう。「短納期なら喜ばれるだろう」は仮説です。「必要な日はここです」と相手が伝えたことは、確認できた情報です。

表の余白に、分かっていること、まだ聞いていないこと、次に確かめたいことを残してみてください。空欄があるのは悪いことではありません。分からないところが見つかれば、次の商談や試作で聞くことが決まるからです。

私は、きれいに完成した表より、次に何を聞くかが分かる表のほうが、現場では役に立つと思っています。皆さまの会社の言葉で、使いながら直していきましょう。

マーケティングミックスの4P/4Cの具体事例

ここでは、元記事で取り上げた牛乳の販売シナリオから、準備する仕事を見ていきます。そのうえで、同じ考え方を製造業の取引へ置き換えます。牛乳の例は当時の記事で考えた販売の筋道であり、販売数量や購入者の反応を検証した成果報告ではありません。

牛乳を売る前に、どんな場面で選ぶ人を想定するか

元記事のシナリオでは、お土産店で牛乳の存在を知ってもらい、試飲や説明を通じて選んでもらう場面を考えました。大きなPOP、目を引く陳列、特徴が伝わる商品名、包装、商品に関する物語のチラシなどを組み合わせています。

ここで注目していただきたいのは、工夫の数の多さより、それぞれが何のためにあるかです。商品を見つけてもらうための陳列と、味を確かめてもらうための試飲では、役割が違います。包装を見て興味を持つことと、持ち帰って飲めると判断することも別ですね。

例えば、旅先で自分が飲むものを探す人と、誰かに渡すものを選ぶ人では、気にすることが変わります。後者なら、持ち運びや保管、渡すまでの時間も確認したくなるでしょう。どちらにも同じ説明をする前に、誰がどんな場面で選ぶのかを置いてみるのです。

これは、牛乳の機能や品質を軽く扱うという話ではありません。作り手が大事にしている品質が、相手の選ぶ場面でどう役立つかをつなげる話です。特徴をいくら並べても、その意味が分からなければ、価格だけで比較されてしまうかもしれません。

存在を知ってもらう準備と、買うための準備を分ける

目立つPOPを置いたとします。それで足を止めてもらえても、「自分には関係がなさそう」と感じれば、購入には進まないでしょう。見つけてもらえたかに加えて、どんな点に興味を持ったか、何が分からなかったかを確かめたいところです。

試飲も同じです。味を確かめる機会にはなりますが、その場で好評だったからといって、価格を含めて購入したいと判断したとは限りません。どの条件なら買うか、買わなかった理由は何かを、分かる範囲で確認します。試した人の感想と、購入の結果は分けて残しましょう。

元記事には、売価を698円として、その理由を伝える案がありました。これは当時のシナリオ内の例示価格であり、現在の販売価格や、同種の商品に勧める価格ではありません。考えたいのは、その金額で選ぶ理由と、提供を続けられる条件の両方が成り立つかということです。

「高いから売れない」と感じても、金額だけが理由かどうかは分かりません。容量や使う場面が合っていないのか、価値が伝わっていないのか、持ち帰りにくいのか。説明を変えればよい場合も、商品の提供方法を変える必要がある場合もあります。

買った後に、どう使い、どう思い出してもらうか

商品の魅力を伝えるチラシは、買う前だけでなく、持ち帰った後に読むことも考えられます。つくり手の考えや特徴を知りたい人に、確かめられる情報を届ける。商品を渡す相手へ説明したいときにも役立つかもしれません。

一方で、感動する物語を添えれば再購入につながる、と決めつけるのは早いですね。飲んだときの満足、保管や扱いのしやすさ、次に手に入る場所なども関わります。再び欲しいと思っても、どこで買えるか分からなければ、その先へ進みにくくなります。

商品名や説明を思い出しやすくすること、再購入の方法を分かるようにすること、質問があれば連絡できるようにすること。こうした準備まで含めて、知るところから使った後までを見直します。紹介や再購入が起こるかは、実際に確かめていくことです。

製造業なら、試作・見積り・納品後の仕事に置き換える

「牛乳の話は分かるけれど、うちは部品加工だから」。そう感じた方もいらっしゃるでしょう。そこで、加工の相談を受ける会社を考えてみます。次の表は一般的な検討例であり、特定企業の実績ではありません。自社が提供する仕事に置き換えて使ってください。

見直す視点 知って相談するまで 比較・試作・発注するとき 受け取って使うとき 続けて頼むとき
商品と顧客価値 対応する材質や加工を、用途と一緒に伝える 試作の目的と評価する条件を確認する 使用条件と確認結果が分かる情報を渡す 次の課題や変更したい点を聞く
価格と顧客の負担 見積りに必要な情報を分かるようにする 数量・検査・納期など見積りの前提をそろえる 受入れや手直しに困っていないか確かめる 変更分と従来分の条件を分けて相談する
届け方と利便性 問合せ先と図面の受け渡し方法を示す 回答する時期と次の確認事項を伝える 納品先・梱包・識別方法を合意する 再注文と図面の版の確認をしやすくする
伝え方と対話 相手が知りたい技術情報を選んで示す 技術・購買・品質それぞれの疑問を確かめる 困ったときの相談先と確認手順を伝える 要望と改善結果を共有し、次の仕事を相談する

例えば、対応できる加工の写真はあっても、見積りを依頼する際に何が必要か分からなければ、問合せがためらわれるかもしれません。必要な情報を整理し、不足する内容は一緒に確認できると示す。これも、商品を選びやすくする工夫です。

ただし、入口を簡単にするために、後で必要になる条件まで省いてしまわないようにしましょう。仕様が分からないのに価格や納期を確約しないことです。最初に相談するための情報と、正式に約束するための情報を分けて案内すると、相談のしやすさと確認の確かさを両立しやすくなります。

また、納品後の対応は、営業担当者がときどき様子を聞くだけにしないことです。図面の変更が伝わっているか、検査記録を使えているか、包装を開けるところで困っていないか。自社の提供する仕事に関わる点を選んで確かめると、次に直すことが見えてきます。

取引先の価値と、その先で使う人の価値をつなぐ

部品メーカーなら、自社の直接のお客さまは別のメーカーで、その先に完成品を使う人がいる場合があります。直接の取引先にとっての価値と、その先の利用者にとっての価値を分けて考えると、話が整理しやすくなります。

例えば、直接の取引先には、組立のしやすさや検査情報の扱いやすさが役立つかもしれません。その先では、完成品の使いやすさや保守のしやすさに関わる可能性があります。ただし、部品の変更が本当にそこへ効くかは、相手の設計条件や使用条件を確かめる必要があります。

自社から見えない利用場面を、想像だけで断定しないことです。直接の取引先に話せる範囲を聞き、仕様や評価の理由を共有できれば、その情報を次の提案へ使えます。取引先を飛び越えて話を進めるのではなく、相手の仕事を支えるために、その先も一緒に考えていきましょう。

マーケティングミックスの4P/4Cでヒット商品をつくる

選ばれる商品を目指すなら、最初に描いたシナリオを、実際の反応と照らして直す必要があります。4P・4Cを使えば成功が決まるわけではありませんが、何を試し、何を確かめたかを整理し、次の改善を考える手がかりになります。

よさそうな案を、お客さまに確かめる問いへ変える

例えば、「加工精度を詳しく説明すれば、試作の相談が増えるだろう」と考えたとします。それなら、まず確認したいのは、相手が精度の情報を判断に使っているか、どの測定条件を知りたいかです。説明の量を増やすだけでは、その点は分かりません。

仮説には、誰のどんな判断を助けたいかを書きます。「Webサイトを改善する」より、「対応できる加工の範囲を見て、図面を相談してよいか判断できるようにする」のほうが、試す内容が具体的になりますよね。

相手に聞くときも、「分かりやすかったですか」という感想だけで終えないようにします。何を確かめたかったか、足りない情報があったか、次に誰と何を相談するか。相手の仕事がどこまで進んだかに関わる問いを選ぶと、直す箇所を考えやすくなります。

もちろん、答えやすい範囲で聞くことが前提です。相手がまだ判断していないことを、無理に答えてもらう必要はありません。「そこは未定です」という返事も、現時点では分からないと記録できる大切な情報です。

まず一つの対象と、一つの変更から試す

自社商品の開発でも、受託加工の営業でも、全部を一度に変えると、何が役に立ったかが分かりにくくなります。最初は、一つの商品、加工の相談、見積りの案内など、手が届く範囲を選んで進めてみましょう。

  1. 対象にするお客さまと、選んでほしい商品・仕事を決める。
  2. 相談から利用後までの流れを書き、分かっている事実と未確認の点を分ける。
  3. 4P・4Cを照らし合わせ、判断を妨げていそうな点を一つ選ぶ。
  4. 説明、提供条件、相談方法など、試す変更を具体的に決める。
  5. 相手の反応と実際の行動、自社で増減した作業を記録する。
  6. 続ける、直す、やめるのどれにするかを決め、次に確かめることを残す。

例えば、問合せに必要な情報を整理して案内したなら、件数の変化だけでなく、最初の相談で必要な条件が分かるようになったか、確認のやり直しがあったかを見ます。相談件数が増えても、現場が回答に追われるだけなら、受け付け方や対応範囲を見直す必要があります。

逆に、件数がすぐに増えなくても、相手が用途を説明してくれるようになった、試作の評価条件を共有できた、といった変化があるかもしれません。それが受注につながったと早合点はせず、どの判断が進んだかを記録します。

反応が変わった理由は、一つに決めつけない

変更前後を比べるときは、時期、相手の状況、相談の内容も一緒に見てください。季節や案件の有無が違えば、同じ説明でも反応は変わります。少ない案件だけで、改善の効果や市場全体の傾向を断定しないことです。

「説明を変えたら受注した」という事実があっても、それだけで説明の変更が決め手だったとは言えません。相手が選んだ理由を聞けたか、別の条件が変わっていなかったか、同じ困りごとがほかにも見られるかを確認します。

数字を使うなら、何を数えるかもそろえます。問合せた会社の数、相談の件数、試作品の数、注文の件数は別のものです。集計する期間や対象が違う数字を並べると、進み具合を誤って読むことになります。

最初は難しい分析より、判断に使える事実を残すことを優先しましょう。「価格が高いと言われた」と「価格だけが失注理由だった」は同じではありません。相手の言葉、確認できた条件、社内の見立てを分ける。このひと手間が、次の案の質を支えてくれます。

営業と現場で、売る約束と作る条件をそろえる

お客さまから聞いた話を、営業だけで抱え込むのはもったいないですね。加工や検査に詳しい仲間と見ることで、別の提案が生まれることも考えられます。一方で、現場の条件が分からないまま「対応できます」と発信することは避けたいところです。

J-Net21も、営業と開発が共同で顧客に対応し、ニーズや情報を共有する考え方を紹介しています。相手の話を聞く仕事と、具体的な形にする仕事を近づける視点が参考になります。J-Net21「営業と開発の連携」

小さな会社なら、担当を兼ねることも多いでしょう。それでも、最近の相談を一件取り上げ、何を約束し、実際に何が必要だったかを一緒に振り返ることはできます。予定より段取りが増えた、検査条件を後で聞き直した、といった現場の声も、商品やサービスを整える材料です。

5S活動で、必要な情報や道具を使いやすくし、繰り返す困りごとはQC活動で原因を確かめる。仕事の流れや作業時間を見直す必要があれば、IE手法も活かす。こうして、営業で伝える強みを、現場で届け続けられる仕事へつなげていきます。

ただし、営業の約束を守るために、現場の努力だけを増やすことになっていないかも見たいですね。対応の範囲、回答に必要な時間、追加作業の条件まで、商品やサービスの設計に戻って考えることが大切です。

改善したことを、根拠と一緒に伝える

改善を重ねたら、その取り組みを営業資料やサイトでも伝えてみてください。何を変え、どんな条件で何を確かめたかが分かる情報は、お客さまが仕事を頼む際の判断材料になり得ます。

例えば、図面の版の確認方法をそろえた、検査記録を探しやすくした、相談から回答までの流れを整理した。確認できた仕事の変化を示します。「不良がなくなる」「納期が必ず短くなる」といった、確かめていない効果へ話を飛ばさないようにしましょう。

取引先の写真や図面、相談内容を外へ出す際には、公開してよい範囲を確認します。社内で共有する記録と、社外へ示す情報は分けて扱います。自社の改善力を伝えるためにも、お付き合いの中で預かった情報を大切にしたいですね。

元記事でお伝えしたかったのは、相手のことを考え、試し、確かめ、直し続ける組織の力です。販売の場面だけを磨くのではなく、届けた後の仕事まで見直す。その継続を、会社の仕組みとして育てていきましょう。

4P・4Cを現場で使うときのよくある質問

ここまでの内容を、自社で始めるときに迷いやすい点から整理します。特別な部署や大きな調査予算がなくても、いつもの商談と現場の仕事を使って確かめるところから始められます。

少人数の会社でも、4P・4Cを使えますか?

使えます。最初から全商品・全取引先を整理しようとせず、最近の相談を一件選んでみてください。何を求められ、どんな条件を示し、相手が何を確かめたかを並べ、次の対応で直すことを一つ決めます。

最初の表が簡単でも構いません。話し合うたびに、分かったことと分からないことを残せれば役に立ちます。担当者の頭の中だけにある情報を、仲間が一緒に考えられる形にすることから始めましょう。

自社ブランドの商品がなく、受託加工が中心でも使えますか?

使えます。加工の仕事も、相談、技術的な確認、見積り、製作、検査、納品後の対応を含めて整理できます。図面どおりにつくることに加えて、相手が安心して頼むために何が必要かを考えるのです。

例えば、対応範囲が分かる資料や、見積りの条件を確認しやすい案内も検討対象になります。ただし、取引先が指定する仕様を自社の判断だけで変えてよいという意味ではありません。変える案があるなら、目的と条件を相手と確かめて合意します。

反応が悪い場合は、まず値下げを考えるべきでしょうか?

値下げを決める前に、何が判断を止めているかを聞いてみてください。用途が合わない、必要な情報が足りない、入手する時期が合わない、といった理由も考えられます。価格が理由でも、比較している範囲や数量、検査などの条件を確かめる必要があります。

価格を変えて試す場合も、会社が届け続けられる条件と、試した結果を判断する方法を決めておきます。問い合わせが増えたかだけでなく、受注内容と対応に必要な仕事まで見ることが大切です。

AIに4P・4Cの表をつくってもらえば、分析できますか?

整理のたたき台には使えますが、相手の実際の気持ちや判断を確認したことにはなりません。AIが出した顧客像や理由は仮説として扱い、聞いた事実や実績とは分けます。相手の言葉を、都合のよい説明に置き換えないようにしましょう。

使うなら、すでに整理した記録を入力しやすくする道具や、未確認の項目を一覧にする仕組みなど、自社で困っている仕事を助ける方向から考えてみてください。取引先の情報を扱う条件も確認し、何を確かめ、どう判断するかは人が責任を持って進めます。

まとめ|お客さまの選ぶ理由を、次の改善につなげよう

4P・4Cを使うときは、会社が用意した商品や説明を、お客さまが選び、使う場面から確かめてみてください。伝わらない理由を説明不足だけに求めず、価格、相談のしやすさ、利用後の対応まで一緒に見ると、直すところを考えやすくなります。

牛乳の販売シナリオでも、目立つ陳列、試飲、包装、説明資料には、それぞれ役割がありました。製造業なら、加工の対応範囲、試作の評価条件、見積りの前提、納品後の情報などへ置き換えて使えます。大切なのは、相手の次の判断を助ける準備になっているかです。

最初のシナリオは仮説です。反応を見て、理由を聞き、分かったことを残し、次の案を試す。よい結果が出ても原因を早合点せず、うまく進まなくても誰かの能力のせいにしない。そうして、商品と仕事の進め方を一緒に磨いていきましょう。

選ばれる理由は、営業の言葉と、現場で届ける仕事の両方で育てていく。

私は、ここが大切だと考えています。営業が聞いた困りごとを現場の仲間が考え、現場の工夫をお客さまが判断できる情報へ変える。その往復があってこそ、会社の強みを次の仕事へつなげやすくなります。

まずは、一つの商品や最近の相談を選び、知る・選ぶ・使う・また頼むという場面を書き出してみてください。そのうえで、相手の判断に必要なのに、まだ確かめていない点を一つ選ぶ。次の打合せで聞いてみることが、改善の最初の一歩になります。

技術の良さを選ばれる理由へつなげたい、営業の約束を現場の仕組みとそろえたい。そのような課題があれば、株式会社 事成すの支援サービスもご覧のうえ、ご相談ください。自社の仕事を材料に、次の改善を一緒に考えましょう。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。すべては皆さまの笑顔と元気のために。

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この記事を書いた人

西本 文雄(にしもと ふみお)のアバター 西本 文雄(にしもと ふみお)

西本文雄|株式会社事成す代表取締役・中小企業診断士。製造現場、生産管理、購買の実務経験を生かし、中小企業の経営と現場をつなぐ支援に取り組む。5S活動を入口に、社員が自ら考え、チームで改善を続けられるしくみづくりを重視。現場で働く人の知恵と経営者の想いを結び、品質向上や生産性向上につながる実践的な情報を発信しています。難しい理論より、日々の仕事で試せる工夫を大切にし、現場目線でわかりやすく伝えます。

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