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中小製造業のマーケティングファネル|相談から購入後まで、お客さまの判断を支える実践法

2019 3/18
マーケティング
2019年3月18日2026年10月16日
マーケティングファネル理論でお客さまの幸せのつくり方を学ぶ!

皆さま、こんにちは。西本文雄です。ホームページは見られている。でも相談は少ない。見積までは進むのに、その後の返事がない。ようやく納品したのに、次の依頼へつながらない。こうした一般的な場面を、御社ではどこから見直しているでしょうか。

「もっと宣伝しよう」「営業の連絡を増やそう」と考える前に、お客さまがどこで迷っているかを確かめてみませんか。対応できる加工が分からないのか、比較の材料が足りないのか、納品後に使う人へ説明が届いていないのか。止まっている場所によって、会社がする仕事は違います。

最初に結論をお伝えします。マーケティングファネルは、お客さまを決まった順番へ押し込む手順ではありません。知る、調べる、選ぶ、使うという過程で、次の判断に何が必要かを整理する地図です。その地図に、御社の情報と、実際に対応する人の仕事をつないでいきます。

2019年の元記事では、お客さまの幸せを考える七つのプロセスを取り上げました。今回は元の三つの大見出しと七段階を残し、ものづくりの会社が相談から納品後までをどう支えるかへ、具体的に置き換えていきます。どうぞ、最近のやり取りを一件思い浮かべながらお付き合いくださいませ。

目次

そもそもお客さまの幸せとはなにか?

元記事では、この問いをマーケティングの出発点に置きました。私は今も、会社が何を売りたいかの前に、相手の仕事がどう良くなればよいかを考えたいと思っています。ここでいう幸せは、売り手が勝手に決める気持ちではありません。困っていたことが解け、相手が必要な仕事を進められることとして確かめます。

製品の特徴を、相手の仕事の変化へつなぐ

例えば、精度の高い加工が得意な会社だとします。その精度が、お客さまのどの工程に必要なのでしょう。組み付けの確認をしやすくしたいのか、後の調整を減らしたいのか、指定された品質を満たしたいのか。同じ技術を求める相手でも、使う理由は異なります。

「高品質です」「短納期です」という説明だけでは、相手の条件へ合うかは分かりません。何を、どの範囲で、どのように確かめられるかを示す必要があります。反対に、相手が必要としていない精度や対応を加えても、その分が価値として受け止められるとは限りません。仕事の目的から、必要な提供を選びたいのです。

最初の相談では、「何が必要ですか」に加え、「それを使って、どの仕事を進めたいのですか」と尋ねてみましょう。話せる範囲は相手にも事情がありますから、秘密の情報まで一度に求めません。分かる範囲を整理し、次の確認へ進むために必要なことを一緒にそろえます。

依頼する人と、使う人の違いも見る

中小製造業の取引では、購買の人から相談を受けても、実際に使うのは別の工場の人、という場合があります。技術の人は性能を確かめ、品質の人は検査や記録を確認するかもしれません。相手の会社の一人が喜んだから、すべての条件がそろったと考えないことです。

例えば、見積の価格は希望に合っていても、納品する単位や検査結果の出し方が現場へ合わなければ、受け取った後の手間が増えます。営業が話した約束と、使う人が必要な状態をつなげる。相手の担当者が社内で説明しやすい情報を用意することも、御社にできる支援です。

もちろん、すべての人の希望を無条件に満たせるわけではありません。何を優先し、何を別途確認するかを話します。価格、納期、仕様を同時に変える必要が出たら、その関係を説明する。できない条件も伝えたうえで、相手が選べる状態にすることを大切にしたいですね。

期待は、会社の想像だけで完成させない

社内で理想のお客さま像をつくることは、考える入口になります。ただ、それが実際の相手の事情と同じとは限りません。「たぶん早さを求めている」と思っていたら、必要だったのは確かな納期の見通しかもしれません。期待を推測したら、実際の相談で確かめ、違っていれば直します。

相手の言葉も、そのまま社内の約束へ変えないようにします。「できるだけ早く」が、いつまでに何を必要としているのか。現物が必要なのか、先に可否だけ分かれば次へ進めるのか。回答の段階を分ければ、未確認の納期を約束せずに、相手の仕事を支えられる場合もあります。

自社の都合だけで売ることも、相手の希望をすべて引き受けることも、続けるのは難しいと思います。御社が提供できる価値と、相手が必要とする条件を重ねる。その重なるところを、実際のやり取りから探していきましょう。

ファネルは、情報と対応の抜けを見つける道具

ファネルは漏斗を意味し、購入へ至る過程を段階に分けて見るモデルです。Salesforceの公式解説でも、認知から購入へ進む行動の整理として説明されています。御社では、どの段階にどんな迷いがあり、誰が返答するかを見る地図として使えます。

資料をきれいに完成させることが目的ではありません。例えば、サイトで技術を知っても、相談する窓口が分からないなら、まずそこを直せます。納品後の使い方が届いていないなら、広告を増やす前に説明の引き継ぎを直せます。相手の目的へ戻ることで、次の仕事を選びやすくなるのです。

お客さまが幸せになるまでの7つのプロセス

元記事の七つは、認知、興味、行動、比較、購入、利用、愛情でした。ここでは、その順序を整理のために残し、各段階で御社が用意できるものを見ていきます。実際のお客さまは前へ進んだり戻ったりしますから、順番どおりでなければ問題だ、と考える必要はありません。

認知:商品・サービスを知る

最初に必要なのは、御社がどんな困り事を相談できる会社かを知ってもらうことです。機械の名前や設備の写真だけでは、詳しくない人に用途が伝わらない場合があります。扱える材質や大きさ、得意な加工に加え、どんな依頼の場面で役立つかを説明します。

例えば「精密加工」とだけ掲げるより、相談できる対象と、確認が必要な条件を示す方が、相手は自分の仕事と結びつけやすくなります。ただ、対応していない加工例や、裏付けのない精度を集客のために加えないことです。現場が守れる説明を、営業と一緒につくります。

広く知ってもらうことと、数だけを集めることも違います。相談されても対応できない相手ばかりが増えれば、相手にも社内にも手間がかかります。御社が役立ちたい相手が、普段どこで調べ、どんな言葉で困り事を表しているかを考えて、情報を届けましょう。

興味:興味・関心を持つ

知ってもらった次には、「自社にも関係がありそうだ」と判断できる情報が必要です。ここは元見出しの表記を関心へ整えました。相手の条件に近い加工例、対応する数量の範囲、相談から回答までの流れなどを示します。技術のすごさだけでなく、依頼した後を想像できることが大切です。

事例を載せるなら、何を依頼され、どんな条件を確認し、何を提供したかを、公開できる範囲で整理します。顧客名や図面、写真を使えるかも確かめます。実績の説明と、今後対応したい計画は分けてください。これから整える体制を、完成済みの強みとして見せないようにします。

相手がまだ情報を集めている段階なら、すぐに商談を求めなくても構いません。基本の考え方、よくある質問、対応範囲を読み進められる形にします。情報を読んだことだけを、購入する意思があるという判断へ置き換えないことです。

行動:来店やHP検索など調査に動く

製造業では、サイトを詳しく見る、資料を読む、図面の相談をする、工場見学について尋ねるなどが考えられます。相手が次にできることを、具体的に示しましょう。「お問い合わせください」だけでなく、何を相談でき、何が分かっていれば話を始められるかを添えます。

一般例として、見積に必要な数量や材質がまだ決まっていない相手もいます。すべての欄を埋めないと送れない形なら、相談自体をためらうかもしれません。最初に必要な情報と、後から一緒に確認できる情報を分けます。秘密の図面を送る前に、受け渡しの方法を確認できる窓口もあると、判断しやすくなります。

受付後の対応も、相手の行動の一部です。受け取ったことを知らせ、確認を始める人を決め、回答の見通しを返す。すぐに結論を出せなくても、誰が何を確かめているかが伝われば、相手も自社の予定を考えられます。受付だけを整えて、返答が止まらないようにしたいですね。

比較:ライバルと比較して選ぶ

比較に必要なのは、価格の高低だけではありません。同じ仕様、数量、検査、梱包、納入方法で比べられるかを確かめます。含まれる仕事が違う見積を、金額だけで並べても、相手は判断できません。何を含み、何が別途なのかを、御社の言葉で説明します。

他社を悪く言うより、御社が対応できる条件と、その理由を示します。品質をどう確かめ、変更があったときにどう相談できるか。必要な記録を何として返せるか。こうした情報は、相手の担当者が購買や品質の人へ説明するときにも使えます。

まだ確認できていない条件は、確定事項と分けて書きます。急いで選んでもらうために、現場で確認していない納期を約束してはいけません。確認に時間が必要なら、その理由と、いつ何を返せるかを知らせます。速さと確かさを、回答の段階に分けて考えてよいのです。

購入:お金を出して買う、契約する

発注が決まったら、売れたことで一息つく前に、合意した条件を社内へ引き継ぎます。注文の内容と見積の前提が同じか、図面の改訂や数量、納期に違いがないかを確かめます。営業のやり取りだけに残った約束が、製造や品質へ届かない状態を避けます。

相手にも、これから何を準備し、どの段階で確認が必要かを伝えます。支給する材料、提出するデータ、納品を受け取る場所など、仕事を進める条件をそろえる。変更が出たら、作業を進めながら勝手に吸収するのではなく、費用と納期への影響を確認する経路を決めましょう。

相手が発注を見送ることもあります。保留なのか、条件が合わなかったのか、話せる範囲で確認します。次の連絡を望んでいるかも聞き、一度相談した相手へ際限なく提案を続けないようにします。買わない選択を含めて、相手が判断できる関係を大切にしたいと思います。

利用:使う、食べる、読む

元の見出しは広い商品を対象としていました。製造業では、届いた部品を組み付ける、設備を運用する、検査の記録を使う、といった場面へ置き換えて考えられます。納品した物が、相手の仕事で使える状態になっているかが問われます。

使う人へ必要な情報が届いているかを確認します。向き、識別、注意点、検査結果、困ったときの相談先など、製品と依頼の内容に合う説明を用意します。何でも長い資料にする必要はありません。受け取った人が、どの状態で何を確かめればよいか分かることを優先しましょう。

問い合わせが来たら、不満として片づけず、どの条件で困ったかを聞きます。必要な対応を行い、社内では仕様、説明、作業、検査のどこを確かめるかを分けます。原因が未確認の段階で、相手の使い方が悪いと決めつけないことです。納品後の声は、次の提供を直す材料になります。

愛情:愛用し始める!

この段階の名前は元記事から残していますが、お客さまへ御社を好きになるよう求める意味ではありません。安心して頼める、困ったときに相談できる、必要なときにまた選べる。その関係を、日々の対応で積み重ねることとして考えます。

継続する相手にも、前と同じ条件が続くとは限りません。数量、製品、担当、使う環境が変われば、必要な対応も変わります。普段の問い合わせや定期的な確認を通じて、いま役立っていることと、負担になっていることを聞きます。更新のときだけ連絡する形へ偏らないようにしましょう。

紹介してもらえる場合も、社名や事例の公開範囲は確認します。満足した人が、誰でも紹介をするとは限りません。業務上紹介できない相手もいます。紹介の有無で顧客の価値を決めず、引き受けた仕事を確実に果たすことを、関係の土台に置いてください。

マーケティングファネル理論でお客さまの幸せをプロデュースする!

元記事でお伝えしたかったのは、お客さまの購入前から購入後までを、会社として考えて準備することでした。ここでは、売り手が相手の気持ちを決めるという意味ではなく、相手が目的を果たすための情報と仕事をつなぐこととして、具体的な進め方を整理します。

漏斗の形より、実際のやり取りを見る

知ってくれた人の一部が相談し、その一部が発注する。購入前のファネルは、こうした段階を整理するために使えます。購入後の継続や推奨まで含めて描く、ダブルファネルという整理もあります。ただ、同じお客さまの人数が、購入後に自動的に増えるという意味ではありません。

継続する人と紹介する人は別の行動です。紹介で新しい相手が御社を知れば、それは新しい接点になります。人数、取引先の社数、相談案件数、受注件数を混ぜず、何を数えているかを明らかにします。図の幅を整えるために、違う集計を並べないことです。

Salesforce Trailheadの公式解説でも、顧客との接点や関わる順序は一様ではないと説明されています。御社でも、比較した後に仕様を調べ直す、試作の後に社内で再検討する、といった往復を残します。段階をきれいに進めることより、次の判断を妨げているものを見つけたいのです。

一件の相談を、現場と一緒に並べる

最初から全商品の詳細な図を作り込まなくても構いません。最近の一件を選び、どこで知り、何を尋ね、何を比べ、何を頼み、納品後に何を確認したかを並べます。相手が言った事実と、社内の推測は分けて記録します。分からない部分を、もっともらしい心理で埋めないようにしましょう。

次の表は、一般的な受託加工の相談を振り返るための例です。御社の実績ではありません。何を調べ直せばよいかを、営業、製造、品質の仲間で話す材料として使ってください。

確認する場面 残す事実 社内で確かめること
相談を始める前 相手が見た情報、最初の質問 対応範囲と窓口は伝わったか
見積まで 不足条件、質問と回答の日付 誰が何を確認し、回答待ちはどこか
発注するとき 合意した仕様、数量、納期 営業の約束が現場へ届いたか
納品した後 使い始めた状態、追加の質問 説明や検査の記録は使えたか
次の依頼まで 継続、変更、保留の理由 次に何を確認し、誰が返すか

社長が答えを先に決めず、実際に受け付けた人、作った人、検査した人の情報を聞きます。同じやり取りでも、営業には返答済み、現場には確認待ちと見えている場合があります。責任を押し付けるためではなく、情報が渡る場所を直すために使いたいですね。

直す場所を一つ選び、結果を返す

例えば、見積前の質問が何度も往復していたら、最初の確認項目を見直せます。納品後に同じ説明を求められるなら、製品と一緒に渡す情報を確かめられます。広告を増やすことだけが打ち手ではありません。いまの仕事の中にも、迷いを減らす余地があります。

私からの進め方の提案は、次の六つです。御社の製品や取引条件に合わせて、対象と確認の周期は変えてください。

  1. 一件の相談と、相手が達成したかったことを選ぶ。
  2. 七段階へ実際のやり取りを並べ、未確認の部分を残す。
  3. 相手と社内のどこに待ちや迷いがあったかを確かめる。
  4. 直す情報や仕事を一つ選び、担当と確認日を決める。
  5. 同じ種類の相談で、使い勝手と負担を確かめる。
  6. 続ける、直す、戻すを決め、関係する仲間へ返す。

問い合わせ数や成約率だけで効果を判断しないことも必要です。相談の内容、相手が判断できたか、回答待ちの状態、社内の工数も見ます。季節や受注の条件が違う期間をそのまま比べて、変更した施策だけの効果だと決めつけないようにします。

顧客への約束を、現場の改善につなぐ

「必要な状態で確実に渡す」という約束には、材料、図面、工具、検査記録が使える状態であることも関わります。5S活動で探す手間や取り違えに気づける状態を整え、繰り返す問題はQC活動で条件を集めて考える。流れや待ちを確かめるなら、IE手法が役立つ場面もあります。

活動を行ったことだけで、品質や納期を保証したとは言えません。何を変え、どの条件で何を確かめたかを記録します。その実績を社内ディスプレイや自社サイトへ示す場合も、顧客情報、図面、人の写真などの公開範囲を確認します。学び続ける会社の姿を、事実に沿って伝えたいのです。

改善を発信すれば、新しい相手に仕事の進め方を知ってもらう入口にもなります。ただ、発信するための活動へ変えてしまわないこと。使う仲間とお客さまの困り事が減ったかを先に確かめ、その歩みを無理なく共有しましょう。

AIは、御社の確認や引き継ぎを助ける道具へ

AIを使うなら、問い合わせの不足項目を整理する、同じ質問を探す、回答待ちの課題を見つける、納品後の声を工程別に整理するなど、御社固有の仕事に合うツールを考えられます。顧客の気持ちを勝手に推定し、必要な確認を飛ばすためには使いません。

元の記録へ戻れるようにし、要約に条件の抜けや取り違えがないかを人が照合します。図面や顧客情報を外部サービスで扱う前には、その許可とルールを確認します。入力と照合の負担まで含めて、実際に使いやすいかを判断する。道具を導入しても、相手の目的を聞き、約束を守る仕事は、人と会社が引き受けるものです。

よくある質問

モデルを使い始めると、段階の数や指標、誰が取り組むかで迷うことがあります。御社の仕事を図へ合わせるより、実際のやり取りを良くするために使ってください。よくある疑問を整理します。

少人数の会社でも、ファネルを作る意味はありますか?

ありますが、複雑な仕組みを用意する必要はありません。一件の相談について、相手の目的、渡した情報、止まった理由、次の確認と担当を一枚に残す形から始められます。社長がすべてを知っている状態でも、別の仲間が引き継げるかを確かめる材料になります。図を完成させることより、一つの迷いを減らせるかを優先しましょう。

七つの順番は、変えてはいけないのでしょうか?

七つは元記事の整理です。唯一の正解ではありません。紹介で最初から具体的な見積を求められる人も、比較から仕様の相談へ戻る人もいます。御社の仕事に合う段階へ整理できますが、購入後の利用を忘れないことは大切です。相手が実際に何をしたかを残し、順序に合わない行動を例外として捨てないようにします。

ホームページの閲覧が増えても相談が増えない場合は?

まず、読んでいる相手と内容が、御社が対応できる課題へ合っているかを見ます。次に、対応範囲、必要な準備、相談先が分かるかを確かめます。閲覧は情報収集の途中かもしれませんから、すぐ見積を求める前に、比較や相談に使える情報が届いているかを見ることです。閲覧数だけで、発注意思を判断しないでください。

購入後の図が広がるのは、顧客数が増える意味ですか?

購入した同じ集団の人数が、自動的に増える意味ではありません。継続、別の用途での利用、推奨や紹介など、購入後の関わりの広がりとして整理できます。紹介で生まれる新しい相談は別に記録します。社数、人数、案件、注文の回数を区別しないと、どこが変わったかを見誤ってしまいます。

納品後は、どのくらい連絡すればよいのでしょうか?

製品の使われ方と相手の予定によって変わります。評価する時期や、確認が必要になる場面を依頼時に聞き、連絡方法と内容をそろえます。連絡回数を増やすこと自体が支援ではありません。必要な説明、問い合わせへの返答、変更の確認が届いているかを見て、相手が望まない提案を重ねないようにしましょう。

対応できない相談は、断ってもよいのでしょうか?

対応できるように見せたまま引き受けるより、条件と理由を誠実に返すことが必要です。時期、数量、仕様を変えれば考えられるのか、御社では扱えないのかを分けて伝えます。代案を出せる場合も、確認していない他社の対応を勝手に約束しないようにします。相手が次の判断をできる返答を目指してください。

既存顧客にも、同じ整理を使えますか?

使えます。以前からの相手でも、担当者や製品、必要な条件が変わることがあります。知っているはずと思って省いていた情報を確かめ、納品後の困り事や次の検討へ必要な材料を整理できます。新規集客だけに使うのではなく、いつもの仕事の受け渡しを見直す地図としても活用しましょう。

まとめ:売る前から使った後まで、仕事をつなげる

お客さまの幸せを考えることは、相手の気持ちを売り手が決めることではありません。どの仕事を進めたいかを聞き、知る、選ぶ、使う過程で必要な情報と対応をそろえる。そのために、マーケティングファネルを地図として使えます。

知ってもらうための発信から、相談の受付、見積、発注、納品後までを一続きで見ます。どの段階に迷いがあり、御社の誰が返答し、何を現場へ渡すのか。相手の判断と社内の仕事をつなげることで、直すべき場所を具体的に考えられるようになります。

まずは、最近の相談を一件選び、相手が次に判断できるまで何を待っていたかを確かめてみませんか。情報が足りなかったのか、返答する人が曖昧だったのか。直すところを一つ選び、担当と確認日を決める。その小さな改善から、売る前と使った後をつなぎ直せます。

社員を元気にする。会社を元気にする。そして街を元気にする。相手の仕事に役立ったことが現場へ伝わり、次の工夫を生む。そんな往復を、御社の仕事の中へ増やしていきたいと思います。

株式会社事成すは、5S活動を入口とする支援サービスとして、活動の記録・共有、現場で働く皆さまへの研修、継続できる体制づくりを考えています。お客さまへの約束を、営業と現場でどう支えるか迷ったときは、お問い合わせから今の困り事をお聞かせください。現物と仕事の事実から、次の改善を一緒に考えましょう。

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この記事を書いた人

西本 文雄(にしもと ふみお)のアバター 西本 文雄(にしもと ふみお)

西本文雄|株式会社事成す代表取締役・中小企業診断士。製造現場、生産管理、購買の実務経験を生かし、中小企業の経営と現場をつなぐ支援に取り組む。5S活動を入口に、社員が自ら考え、チームで改善を続けられるしくみづくりを重視。現場で働く人の知恵と経営者の想いを結び、品質向上や生産性向上につながる実践的な情報を発信しています。難しい理論より、日々の仕事で試せる工夫を大切にし、現場目線でわかりやすく伝えます。

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