カーボンニュートラルは「意味ない」?中小企業こそ取り組むべき本当の理由
「カーボンニュートラル?ウチみたいな小さな会社には関係ないでしょ。コストもかかるし、時間もかかる。そんな余裕ないよ…」
そんな風に思っていませんか? 実は、同じように「カーボンニュートラル 意味ない」とネガティブな声を検索している中小企業の経営者の方も多くいらっしゃるようです。
普段の世間話でも「コストがかかりすぎるんじゃないか?」 「具体的に何をすればいいのか分からない…」 「大企業みたいに立派なことはできない…」
こんな不安や疑問の声をよく耳にします。
しかし、カーボンニュートラルは、もはや大企業だけの取り組みではありません。中小企業にとっても、避けては通れない時代の流れになりつつあります。
そこで今回は、「カーボンニュートラル 意味ない」と取り組みを不安視している中小企業の経営者の方へ、その疑問を徹底的に検証していきます。
これらの疑問に答え、カーボンニュートラルを正確にとらえ直すためのお手伝いをします。
きっとこの記事を読み終える頃には、「カーボンニュートラルとはこういうものなんだな」というスッキリした気持ちになっていただくことをゴールに書き進めてまいります。
カーボンニュートラルについて、中小企業の経営者からは様々な意見が聞かれます。まずは、「意味ない」派と「意味ある」派、それぞれの意見を整理してみましょう。
では、これらの意見は本当に正しいのでしょうか? コスト面、メリット面、リスク面など、多角的な視点から検証してみましょう。
これらの検証結果から、カーボンニュートラルは「意味ない」どころか、中小企業にとって非常に重要な取り組みであるような空気が読み取れてきますよね。
次の章では、中小企業だからこそカーボンニュートラルに取り組むべき「本当の理由」をさらに深く掘り下げていくことにしましょう。
「意味ない」「意味ある」との意見から深堀りをしてみましたが、実はそれはまだ表面的な理由でしかありません。多くの企業経営を支援したきた我々コンサルからの視点からですと、本当の理由がまだ薄っすらではありますが見えてきています。
大昔は近江商人の「三方よし」という考え方が浸透していました。正しい商い=事業は「①買い手よし」「②売り手よし」「③世間よし」の三方を満足させることができるため、末永く続けることができる、と。これは実は企業の成長段階とも捉えることができます。
買い手は、我が社が生み出した商品・サービスを購入することで、一定の価値を受け取ることができる。適正な価格なりの価値であれば、買い手は「よし」となりますよね。そのため我々は、しっかりと安定した商品やサービスが提供できるよう、品質を整え、価格を維持し、必要な時に供給できるよう体制を整える必要がある、というわけです。
一方財務的には、しっかりとした価値を安定して届ければその分、対価交換によって売上高も安定するという構図を維持することができます。これが「買い手よし」という状態。
そして次に来るのは「売り手よし」です。前述したとおり「買い手よし」となるためには、社内に一定のしっかりとした仕組みを動かすことが前提となります。しかしこの仕組みづくりを進める過程で、従業員を無理に働かせたり、精神的苦痛を伴わせるようでは事業は続きません。そのため売り手で働く側にもしっかりと労働意欲を高めていただき、働きがいをもって成長も感じ、しっかりと安定した報酬を持って帰ることができる仕組みが必要です。
また財務的には、しっかりとしたビジネスモデルを構築することによって、売り手側の利益を獲得しておかないと、事業の安定した維持・成長は難しいお話です。これが2つ目の「売り手よし」という状態です。正直「買い手よし」よりハードルは高いですよね。
最後に考え直さなければいけないのは「世間よし」です。企業が事業活動を継続することで、社会に対してもよい影響を与える存在でなければいけません。しっかり利益を確保すれば税金を納めることができて、社会が回る。そして地域でボランティア活動などに取り組めば「良い行いをする会社」として世間にアピールできる。これが近年までの「世間よし」だったんです。
ところが世界的に「必要とされる項目」がSDGsにより定義されました。そのことにより「世間よし」のハードルが高く高く上がったことになります。皆さまもご存知のとおりSDGsは以下の17の目標があります。
つまりこの必要とされる取り組みをすることこそ「よい行い」であり、この「よい行い」に取り組む会社こそ「良い行いをする会社」だとの、世界的な基準ができたことになります。
もう名前を知らないヒトもないほど知名度が上がったSDGsですが、その中でも13.気候変動に具体的な対策をに対しては、我が国自身に具体的な目標があって、2050年までのカーボンをニュートラル状態にまで達成するため、我々中小企業の対応にもスポットが当たっています。
つまり「①買い手よし」でお客さまとの安定した関係を維持できる仕組みの構築、それができるようになれば「②売り手よし」で従業員が幸せになれる体制整備を進め、最後に「③世間よし」でSDGs(特にカーボンニュートラルの注目度が高い)に率先して取り組んでいる会社が「良い会社」の条件となるのだというわけです。
そして同じ意味で、競合他社が「世間よし」を普通に取り組んでいくなら、その体制と比較されて「悪い会社」とまでは言われなくても「良い行いをしようとしないズルい会社」と取られられる環境がそこまできています。つまり「SDGsもカーボンニュートラルもやってないなら、そりゃ良い給料もらえて笑ってられいられるよな」とか「必要最低限のことだけ取り組んでて、社会の重要課題から背を向けている会社」というレッテルを貼られることになるかもしれません。
もっというなら「そんな会社と取引をしているなんて言語道断!」的な将来の誹謗中傷を回避するために、取引先から徐々に疎遠にされてしまい、なにかのタイミングでバッサリ切られる、なんて恐ろしいシナリオも浮かんでしまいます。
そうなるリスクを回避するためにも、率先してゆっくりとしっかりと無理しない程度に「よい会社づくり」に取り組んで、小さな成果でもアピールしていく積極性を選ぶ判断が得策ではないか?と思えてきたわけです。
中小企業は、大企業に比べて規模が小さいため、意思決定が迅速であり、柔軟な対応が可能です。この特性は、カーボンニュートラルへの取り組みにおいても大きな強みとなります。
中小企業がカーボンニュートラルに取り組むことで、以下のような具体的なメリットが期待できます。
カーボンニュートラルは、単なる環境問題への対応ではなく、企業の持続的な成長を図るための重要な戦略と成り得ることはご理解いただけたかと思います。そして中小企業ならではの特性を活かし、大企業にはないスピード感と柔軟性を持ってカーボンニュートラルに取り組むことができます。これはもう取り組まない、という選択はなかなか選べないですよね。であれば、次はどう始めるかです。
まず何からスタートすればよいのか、十分な情報収集と分析を進めてから、というのは日が暮れます。なのでまずは以下を参考にして、進めながら情報収集してください。
カーボンニュートラルでも製造技術と同じように、着実な一歩を踏み出すことで、将来の大きな成果へと繋がります。まずは、以下のステップを参考に、自社の現状を把握し、目標を設定しましょう。
そしてまずは現実的に取り組みやすいなアクションを3つ紹介します。ぜひ、前述の現状把握や目標設定などを進めながら、取り組むべきことを選択してください。
概要: 専門家による診断を通じて、自社のエネルギー使用状況を詳細に把握し、具体的な省エネ対策を提案してもらいます。
ポイント:
注意点:
概要: Science Based Targets initiative(SBT)が提供する、中小企業向けのCO2排出量削減目標設定支援ツールです。自社の排出量削減目標が、パリ協定の目標達成に貢献できる水準であるかどうかの認証を受けることができます。
ポイント:
注意点:
概要: 環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に配慮した事業を行う企業に対して、融資や投資を行う資金調達方法です。
ポイント:
注意点:
これらのアクションは、中小企業がカーボンニュートラルに取り組むための有効な手段となります。自社の状況に合わせて、最適なアクションを選択し、着実に目標達成を目指しましょう。
経済産業省などが発表している、カーボンニュートラルへの取り組みを後押しする、中小企業が活用できる支援制度をいくつかご紹介します。これらの制度を活用することで、費用負担を軽減したり、専門家のサポートを受けたりしながら、スムーズにカーボンニュートラルへの第一歩を踏み出すことができます。
概要: 専門家による診断を通じて、自社のエネルギー使用状況を詳細に把握し、具体的な省エネ対策を提案してもらいます。診断費用の一部または全額が補助される場合があります。
ポイント:
概要: 省エネ効果の高い設備の導入や、工場全体の省エネ、製造プロセスの電化・燃料転換などを支援する補助金制度です。
ポイント:
注意点:
概要: 生産工程等の脱炭素化と付加価値向上を両立する設備の導入を支援する税制優遇措置です。
ポイント:
注意点:
これらの支援制度以外にも、自治体や商工会議所などが独自に提供している支援策もあります。積極的に情報収集を行い、自社に合った支援制度を活用しましょう。
ここまで読んで、「カーボンニュートラル、やっぱり意味あるかも…」と感じていただけたなら嬉しいです。
確かに、カーボンニュートラルはコストや負担もありますし、乗り越えなければならないハードルもたくさんあります。しかし、その先には、あなたの会社が大きく成長できるチャンスが待っています。
これらは、カーボンニュートラルに取り組むことで得られるメリットのほんの一部です。
そして、これらのメリットは、大企業だけでなく、中小企業にも等しく訪れるチャンスです。むしろ、小回りの良さや地域密着といった中小企業ならではの強みを活かして、大企業よりも早く、そして大きく成長できる可能性さえ秘めています。
「カーボンニュートラル 意味ない」
そう思っていた方も、少しは意味合いが変わってきたかと思います。
カーボンニュートラルは、もはや「取り組むか、取り組まないか」の選択肢がある時代ではありません。それは、企業が生き残るための必須条件になりつつあります。
そして、それは同時に、あなたの会社が大きく飛躍するためのチャンスでもあります。
さあ、今すぐカーボンニュートラルへの第一歩を踏み出していただきたいと思います。
我々はその情報を発信する準備を進めています。