恐怖の黒字倒産とは?事例で学ぶ原因と対策!キャッシュフロー企業のメカニズム

皆さま こんにちは!

経営総合プロデューサー/中小企業診断士の
西本文雄です。

いつも株式会社 事成すのサイト
閲覧いただきありがとうございます。

 
もう本当に企業倒産は
経営者にとって恐怖でしかありません
 
しかも黒字であっても
いきなり襲ってくることがあります!
 
冗談でなくあちらこちらで
起こってしまっている事実
 
黒字なのに?
そんなのおちおち
寝てられませんよね
 
そんな黒字倒産とは
いったいどんなものか?
 
現実に起こった事例をあげて
原因と対策を考えたうえで
 
それを防ぐモデルとなるだろう
キャッシュフロー企業のメカニズムについて
 
今回はお話していきたいと思います
 
どうぞお付き合いくださいませ
 

 

恐怖の黒字倒産とはいったいどんなもの?

 
会社の活動というものは
人間や動物と違って
 
たったひとつの要因によって
終わりがもたらされることは
少し以前に説明をしました
 
それは。。。
『お金がなくなること』です
 
それって一体どういうことなのか。
もう少し定義を追ってきましょう
 

倒産とは何か?

 
そもそもいったい
『倒産』とは
どのような状態を
言うのでしょうか
 
『倒産』というのは特に法律で
定義されているわけではなく
 
一般的に
『事業活動を継続できない状態』
を意味します
 
ほぼほとんどのケースで
『支払いができない』ことが
きっかけとなります
 
そりゃ、そうですよね
 
支払いができなければ
そもそも仕入れができません
給料も払えません
 
事業活動がストップするのは
当然と言えば、当然ですよね
 

黒字倒産とは何か?

 
では、黒字なのに
倒産ということが起きるのか?
 
そもそも黒字とは
支出より収入が上まわっている
状態を言います
 
つまり儲かっているハズなのに
倒産するって。。。
どこかおかしいですよね!
 
その秘密は。。。
運転資金の不足なのです!
 
 

黒字倒産の事例で考える原因と対策!

 
では実際に平成20年8月に起こった
株式会社アーバン・コーポレイションを襲った
有名な悲劇の事例を
見ていきたいと思います
 

黒字倒産の事例

 
まずは下記の財務データを
見ていただければと思います
 
恐怖の黒字倒産とは?事例で学ぶ原因と対策!キャッシュフロー企業のメカニズム
 
この会社は売上高は+35%と好調
経常利益も4期連続黒字で+9%
しかも経常利益率は25%
 
ここだけ見れば
とてもとても素晴らしい
絵に書いたような優良企業です
 
ところが。。。
よくみていただきたいのです
 
一番下の棚卸資産
その回転期間が656日
 
ん?おかしくないでしょうか?
 
ほぼ2年間
在庫で動いていない
計算になります
 
金額を見てみるとこの1年で
1,448億円も増えています!
 
これはどういうことを
意味するのでしょうか?
 
損益計算書(PL)とは
もちろん売上から経費を
差し引いて利益を計算します
 
しかしその一方で
在庫はまだ売れていないので
経費として換算されないのです
 
そのため、
この4年間で急激に増えた
在庫を買うために
1448億円も現預金を投入
 
しかしそのため
営業キャッシュフローがマイナス
 
つまり実に1年間で
1000億円もの現預金が
本業で減少していることになります
 
それに比べ現預金は
453億円しかない
 
この状態ならそりゃ
支払いができなくなっても
不思議じゃありませんよね
 
ではいったい何が原因で
こうなってしまったのでしょうか?
 
答えは簡単です
 
この会社の経営者は構造をわかったうえで
根本的な手を打たなかったのです
 
いろいろと資金調達における
テクニカル面でカバーしようと
あらゆる手を打ちましたが
ことごとく失敗して残念ながら
事業活動の終わりを迎えました
 

黒字倒産の原因と対策を考える

 
この事例のから読み取れる
悲劇が起きた原因は
ずばり現預金の取扱いを
軽んじたことです
 
事業構造を正しい方向
つまり本業で現預金を増やすことに
真正面から向き合わなかった
 
社内の構造的問題から逃げ出して
社外からの資金調達に頼った
 
本業で儲からないのに
金融機関からの資金調達に
奔走する会社と同じ行動を
取ってしまったのです
 
皆さまももうお気づきのとおり
これでは根本解決にはなりません!
 
そのため、
この黒字倒産を防ぐためには
本業で現預金が生み出せるかどうか
全社的に資金繰りがどのように推移するか
をモニタリングする必要が
あるのです!
 

 

黒字倒産を防ぐ!キャッシュフロー企業のメカニズム!

 
さきほどの黒字倒産の事例により
利益と現預金の推移は
必ずしも一致しないことは
ご理解いただけていると思います
 
そのためここで、現預金の流れを示す
『キャッシュフロー』の概念
そのメカニズムについて紹介します
 

キャッシュフローとはなにか?

 
『キャッシュフロー』とは
現金収入から現金支出を
差し引いて算出される
『現金収支』のことであり
 
我が社が実際に持っている現預金が
どれくらいあるのかを把握します
 
『キャッシュフロー』は
会計上の損益計算とは
別のものとして捉えてください
 
それはなぜかというと。。。
 
会計上の損益計算は
取引の成立の時点で
収益として記録されます
 
しかし、実際に
現預金が手に入るのは
取引の成立から少し時間が
必要となるためです
 
つまり。。。
会計上の利益と
手元に持っている現金とは
必ずしも一致すものでは
ないと言うことです
 
ではどうやって現預金の推移を
見ていくことができるのでしょうか?
 

フリーキャッシュフロー(FCF)を計算する

 
企業が自由に使うことのできる
そんな現預金を把握するには
フリーキャッシュフロー(FCF)
を計算して、その推移を
管理する体制が一般的です
 
FCF=売上-売掛金の増加分-仕入+買掛金の増加額-販管費(人件費など)
 
売上が上がれば現預金は増加します
 
売掛金:売上は立ったが未入金の額
これが増加すれば現預金は減少します
 
材料や商品を仕入れれば
もちろん現預金は減少
 
買掛金:仕入れたが支払いがまだの金額
これが増加すれば現預金は増えます
 
販管費:事務所にかかる経費
もちろん支払えば現預金は減少
 
これらをしっかり計算すれば
現在、自由に使用できる
現預金がはっきりします
 
これを一定期間で見ていく
そのことにより
現在、本業で現預金が増えるのか
それとも減少するのか
が明らかになります
 
これらの推移を見ることによって
事業の収益性や取引形態に
手を打つ必要があるか?を判断します
 

黒字倒産を防ぐためのキャッシュフロー改善策

 
黒字倒産を防ぐためには
キャッシュフローを中心に
会社経営を進めていく
『キャッシュフロー経営』
移行していくことが重要です
 
特に、急激に売上高が上がる企業は
いくら利益が出ていても
現預金が不足がちになることが多く
 
運転資金の調達機会を間違えると
いきなり倒産の危機に襲われるため
特に注意が必要です
 
そのため最後に現預金確保のための
『キャッシュフロー経営』への改善施策として
下記を提案します。
 

売掛金を減らす

 
売掛金は現預金の減少要因です
そのため、下記の対策案にて改善が期待できます
◯ 現金取引に変更する
◯ 前受金制度を検討する
◯ 長納期の場合、中間金を頂戴する
 

買掛金を増やす

 
買掛金は現預金の増加要因です
手形取引など支払い条件を交渉して
支払期間の長期化を検討する
 

現預金そのものを増やす

 
直接現預金を増やす方策として
下記の対策があります
◯ 在庫を削減する
◯ 資金調達をする
 
さて、いかがだったでしょうか?
 
黒字で倒産なんて
経営者として
これほど口惜しい終わり方は
ありませんよね
 
押さえるべきところは
しっかり押さえて
強い会社づくりを
進めていってくださいませ
 
 
それでは今回はここまでとなります。
 
次回もよければどうぞお付き合いくださいませ☆
  

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
 

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