皆さま、こんにちは。西本文雄です。いつも株式会社 事成すのサイトをご覧いただき、ありがとうございます。
「マーケティングを考えましょう」と言われると、ホームページや広告の話かな、と思う方もいらっしゃるでしょう。ところが、ものづくりの仕事を振り返ると、選ばれる理由に関わっているのは、宣伝だけではありません。
何をつくれるか。どんな条件で引き受けるか。どう相談してもらい、どう届けるか。困ったときに誰と話せるか。皆さまが普段から工夫している仕事の中にも、マーケティングを考える材料がたくさんあります。
今回取り上げる4P・4Cは、それを整理するための道具です。結論からお伝えすると、会社が提供する商品・価格・販路・伝え方を、お客さまにとっての価値・負担・利便性・対話と照らし合わせて考えます。片側だけで決めず、両方が成り立つ仕事の組合せを探すことが大切です。
英語の名前が並ぶと、少し身構えますよね。でも、用語を暗記することが今回の目的ではありません。「うちでは、何がこれに当たるのだろう」と、自社の仕事へ置き換えてもらえれば十分です。
前編では、マーケティングミックスの意味と、4P・4Cの違い、最初に話し合う問いを整理します。後編では、牛乳の販売シナリオや製造業の例から、実際に使い、確かめて直す方法へ進みます。まずは、ご自身の会社の商品や仕事を一つ思い浮かべて、お付き合いくださいませ。
マーケティングミックスとはいったい何か?
マーケティングミックスは、商品やサービスをお客さまへ届けるために、複数の手段を組み合わせて考えるものです。ここでは、商品、価格、販路、販促を、それぞれ別々の仕事にせず、同じ相手に向けた一つの提供の仕組みとして見直していきます。
宣伝に加えて、提供する内容と条件まで考える
例えば、加工の対応範囲を紹介するページをつくったとします。写真が見やすく、説明も分かりやすい。ところが、相談できる数量や、見積りに必要な情報が分からなければ、見た人が次の行動を選びにくいかもしれません。
逆に、問合せの方法は分かっていても、自社がどんな仕事に強いのかが伝わらなければ、相談してよいか迷うでしょう。伝え方だけ、受け付け方だけを磨いても、相手が判断できる状態までつながっていない場合があります。
そこで、何を提供するのか、どんな価格や条件なのか、どう受け渡すのか、どう知らせて話を聞くのかを並べてみる。この組合せを考えるのが、今回のマーケティングミックスです。目立つ施策を一つ選ぶ前に、相手に届くまでのつながりを確かめるわけです。
中小機構も、商品・価格・流通・販促の4Pを通じて、売れる仕組みを考える方法を説明しています。英語の項目名を覚えるだけでなく、提供する仕事全体を見るための整理として使ってみてください。中小機構「マーケティングの4P」
最初に、誰のどんな仕事を助けたいかを置く
表を広げたら、すぐ商品名を書きたくなるかもしれません。その前に、相手と使う場面を少し具体的にしておきたいですね。同じ加工技術でも、開発中の試作品を急いで評価したい人と、量産品を安定して受け取りたい人では、確かめたい条件が違うはずです。
「製造業なら誰でも」では、何を伝えればよいかが絞りにくくなります。例えば、部品の新しい手配先を検討している人なのか、既存品の追加加工を相談したい人なのか。相手が取り組む仕事が見えるところまで、置いてみましょう。
もちろん、最初から正確な顧客像を描き切る必要はありません。分からない点は分からないと残します。現在のお客さまから聞いたこと、過去の相談で確かめたこと、自社で想像したことを区別すれば、次に聞くべきことを選べます。
対象を絞るのは、ほかのお客さまを大切にしないためではありません。一つの相手に役立つ組合せを考え、違う場面にはどこを変えればよいかを見るためです。大きな枠で曖昧にするより、具体的な一件から考えたほうが話し合いやすいと思います。
自社商品がなくても、提供する仕事は整理できる
受託加工が中心なら、「売るものは先方の図面で決まっている」と感じるかもしれません。それでも、図面の相談から納品までには、自社で整えられる仕事があります。相談への回答、加工条件の確認、見積り、検査記録、梱包などです。
ただし、何でも付け加えれば価値が高まるとは限りません。相手が必要としていない資料を増やせば、読む手間も増えます。追加する仕事が本当に役立つか、提供する費用や時間に見合うかを確かめます。丁寧さと仕事の多さは、同じではないのです。
例えば、毎回同じ条件を聞き直しているなら、確認する項目をそろえる。見積りの範囲が伝わりにくいなら、含む作業と別途相談する作業を示す。技術そのものを変えなくても、頼みやすさや判断のしやすさを見直す余地があります。
四つをそろえると、約束の食い違いが見える
「少量の相談にも丁寧に応じます」と発信しているのに、受付の仕組みが大口の量産注文だけを想定していれば、来てくださった人が困ります。反対に、何でも相談できるように見せて、実際には対応できない条件が多ければ、確認のやり取りばかりが増えるかもしれません。
こうした食い違いに気づくために、四つを並べます。現場が届けられる仕事と、相手へ伝える約束が合っているか。価格に含む範囲と、説明した支援内容がそろっているか。一つずつ見るだけでは分かりにくい点を、組合せで確かめていきましょう。
マーケティングミックスの4P/4Cを知る
4Pと4Cは、同じ商品やサービスを違う側から確かめる視点です。4Pで会社が提供する内容を整理し、4Cで相手にとってどうかを問い直します。ここでは、それぞれの意味を、製造業で扱う仕事へ置き換えてみましょう。
マーケティングミックスの4Pとは?
4Pは、Product、Price、Place、Promotionの頭文字を取ったものです。日本語なら、商品・サービス、価格、流通・販路、販促です。元記事では、もっと身近に「売るもの、売り値、売る場、売り方」と表現しました。
Productは、何を提供するかです。部品そのものだけでなく、どんな相談に応じ、どこまで加工し、どんな情報と一緒に渡すかも、商品・サービスを考える際の対象になります。自社で「一式」と呼んでいる仕事を、相手が何を受け取れるかという言葉にしてみてください。
例えば、「試作に対応する」とだけ書いても、材料の手配を含むか、測定結果を付けるか、設計の相談までできるかは分かりません。対応する範囲を決め、含まないことも説明します。ここが曖昧だと、同じ言葉で違う仕事を思い浮かべてしまいます。
Priceは、その提供内容に対する価格です。数量、材料、加工、検査、納期など、何を前提にした価格なのかも一緒に考えます。相手が比較できるようにするには、金額だけでなく条件をそろえる必要がありますね。
また、相手に喜ばれる価格を探すときも、自社が続けて提供できるかを見ます。見積りの時点で含めていなかった作業が毎回増えるなら、作業の進め方と提供範囲を確かめるところからです。負担を見ないまま値段を決めると、現場が後で埋め合わせることになりかねません。
Placeは、商品やサービスを相手へ届ける経路や方法です。会社や工場の住所だけを意味するわけではありません。直接取引するのか、商社などを通じるのか、どこで注文を受け、どのように納品するのか。自社から相手までの受け渡しを見ます。
近くに工場があっても、相談の窓口が分かりにくければ、取引を始めやすいとは限りません。遠方でも、確認方法や輸送条件が合えば選択肢になることはあります。ただし、運送や現物確認に必要な条件は、その仕事に合わせて確かめる必要があります。
Promotionは、存在や特徴を知らせ、関心や理解につなげる販促です。広告やサイト、展示会、営業資料などが入ります。元記事の「売り方」という言い方は分かりやすい一方、受注や物流まで全部をこの欄に入れると整理しにくくなるので、ここでは主に伝える活動と考えます。
例えば、設備名を一覧にするだけで十分か、加工の対応範囲や相談例も必要か。自社が伝えたい情報を並べる前に、誰がそれを見て、何を判断するのかを置くと、選ぶ情報が変わります。写真や言葉を整える際も、実際に対応できる内容とそろえておきましょう。
マーケティングミックスの4Cとは?
4Cは、Customer Value、Cost、Convenience、Communicationです。顧客価値、顧客の負担、利便性、対話という言葉で考えると、日々の仕事へ近づけやすくなります。4Pで準備したことが、相手にどう届くかを見る側です。
Customer Valueは、お客さまにとって何が役に立つかです。商品の特徴と、その特徴が役立つ理由をつなぎます。例えば、ある加工精度を実現できるとして、それが相手のどの要求を満たし、どんな判断に使われるかを確かめる。高い能力を持つことと、相手に必要な価値になることを、丁寧につなげていきます。
この顧客価値を、「要望を全部かなえること」と受け取らないようにしたいですね。用途や必要条件を聞いたうえで、自社が提供できる範囲とすり合わせます。相手の言う仕様の背景を知ることで、別の提案を相談できる場合もあるでしょう。ただし、合意した条件を勝手に変えることはできません。
Costは、お客さまが得るため、使うために負担するものです。製品の代金に加え、選び、手配し、使い始めるまでの時間や労力も考えます。マクロミルの解説でも、顧客コストを、時間・労力などを含む広い負担として説明しています。マクロミル「4Cとは」
ここでのコストは、自社の製造原価と同じではありません。自社の原価は、提供を続けられる価格を考えるために把握します。顧客コストは、相手が選び、使うまでの負担を考えるために見ます。どちらも必要ですが、誰の負担を話しているかをそろえましょう。
例えば、単価が低くても、毎回不足する情報を聞き直したり、受入れ時に判別のための作業が増えたりすれば、相手には別の手間がかかります。逆に、こちらが書類を増やしても、相手の仕事には役立たない場合もあります。何を減らせばよいかは、相手の使い方を聞いて判断します。
Convenienceは、手に入れたり、利用したりする際の進めやすさです。相談の方法、注文の手順、回答までの見通し、受取方法などを、相手側から確かめます。自社にとって処理しやすい手順が、そのまま相手にも便利とは限りません。
例えば、見積り相談の段階なのに、正式な注文でしか分からない情報をすべて求めていないか。反対に、入口を簡単にするため、後で約束に必要な確認まで飛ばしていないか。相談するための条件と、受注を決めるための条件を分けると、見直しやすくなります。
Communicationは、一方的に伝えるだけでなく、相手の疑問や事情も聞いて理解を確かめることです。サイトで特徴を示した後に、何を相談できるかが分かるようにする。営業で説明した後に、相手がまだ判断できない点を聞く。そうした往復を考えます。
相手の話を聞くときには、すぐに自社の提案へ結びつけようと急がないことも大切です。何に困っているかを聞き、分かったことを確かめ、それから応えられる条件を考える。丁寧な聞き取りも、伝える仕事の一部として整えていきましょう。
対応表を、自社で話し合う問いへ変える
対応関係は次のとおりです。表は、項目を正しく当てるための問題集にせず、自社の仕事を違う側から見るために使ってください。会社が用意したものと、相手に確かめたいことを一緒に置きます。
| 会社が整える4P | お客さま側から見る4C | 自社で使う問い |
|---|---|---|
| Product:商品・サービス | Customer Value:顧客価値 | 何を提供し、相手のどの仕事に役立つか |
| Price:価格 | Cost:顧客の負担 | 価格の条件が分かり、購入・利用の手間も見えているか |
| Place:流通・販路 | Convenience:利便性 | 相談、注文、受取りを相手が進めやすいか |
| Promotion:販促 | Communication:対話 | 判断に必要な情報を示し、相手の疑問を聞けるか |
同じ「短納期」という強みでも、相手にとって必要なのが早さなのか、確かな回答時期なのかで、工夫する仕事は変わります。できるだけ早くつくることばかり考える前に、相手がいつ何を決めたいのかを聞いてみたいですね。
一つの工夫が、複数の項目に関わってもよい
「検査記録を分かりやすくするのは、商品なのか、対話なのか」と迷うことがあるかもしれません。提供物として見れば商品の一部ですし、説明しやすさに着目すれば対話にも関わります。一つの工夫を、一つの欄へ無理に閉じ込める必要はありません。
分類の議論が長くなったら、その工夫で誰の何を助けたいかへ戻りましょう。どの欄にも関連すると分かれば、それでよい場合もあります。大切なのは、項目の名前をそろえることより、相手に伝えることと現場で届けることがつながっているかです。
マーケティングミックスの4P/4Cの本質はこれだ!
元記事で大切にしたのは、会社が提供する側の事情と、お客さまが使う側の事情を、同じテーブルに置くことでした。相手のことを考える姿勢を、商品、条件、伝える情報、受け渡し方へ具体化していきます。
相手のためにしたことが、本当に役立つかを見る
例えば、「すぐ返事をすること」を大切にしている会社を考えてみます。返事が早いのはよいことでも、条件を確かめずに納期を答え、後で変更が必要になるなら、相手は予定を組み直さなければなりません。
お客さまが知りたいのは、今日中に作れるという返事なのか、それとも、いつ条件を確認して正式に回答できるかという見通しなのか。会社側がよいと思う対応を、そのまま顧客価値だと決めないで確かめます。
これは、会社の都合をすべて捨てるという話でもありません。設備、人、材料、検査など、提供に必要な条件があります。相手が求めることを聞き、自社の条件も見えるようにして、合意できる仕事をつくる。両方を見ながら考えるところに意味があります。
私は、お客さまのためという言葉を、誰かが無理を引き受ける合図にしたくありません。どんな条件なら役に立てるかを、一緒に考える言葉にしたいのです。そのためにも、会社が提供する内容を曖昧にせず、相手から見た価値を確かめていきましょう。
顧客視点の欄にも、想像だけで答えを書かない
4Cの欄へ「安心」「便利」「満足」と書くと、顧客視点で整理できたように見えます。ところが、それが作り手の願いだけなら、実際の相手の判断はまだ分かりません。誰が、どんな条件で、何を安心できるのかまで考えたいですね。
例えば、相手から「検査方法を確認したい」と言われたなら、その言葉を残します。そこから自社では、社内の承認に使うのか、受入れの手順を合わせたいのか、理由を聞いてみる。「品質に不安があるに違いない」と、先に結論を置くのは避けます。
聞いた言葉と、こちらが考えた理由を分けることです。分からない欄が残っていても構いません。「次に何を確かめるか」が見つかれば、それだけで、この整理を使う意味があります。
社内でも、窓口の人が知る事情と、つくる人が知る条件は違います。片方だけでお客さまの求めるものを決めず、情報を持ち寄りましょう。若い人が気づいた疑問も、経験豊富な人が当たり前にしている工夫も、具体的な仕事から聞くと共有しやすくなります。
最初は、一つの仕事を一枚に並べてみる
最初から全社の立派な戦略資料をつくる必要はありません。最近相談を受けた商品や加工を一つ選び、四つの組合せを一枚に書いてみましょう。次の順番なら、身近な情報を使って話し始められます。
- 相手は誰で、どんな用途や仕事のために相談したのかを書く。
- 自社が何を、どんな条件で、どう届け、どう説明しているかを4Pで並べる。
- 相手にどんな価値があり、何を負担し、どこで迷うかを4Cから問い直す。
- 事実として分かることと、社内の推測、まだ分からないことを分ける。
- 次の相談や社内の打合せで確かめる点を一つ決める。
例えば、見積りの説明を見直すなら、「親切にする」で止めず、何が含まれ、何が追加の相談になるかを示す、といった仕事にします。変更する内容が具体的になれば、現場にも確認しやすくなります。
担当者だけが分かる略語や「いつもの条件」で埋めず、初めてその仕事を見る仲間にも説明できる言葉を選んでみてください。そこで説明しにくいところは、お客さまにも分かりにくい可能性があります。社内で一度聞き直せる場を持つことも、準備の一つです。
営業で伝える約束を、現場で届けられる仕事とそろえる
「短納期対応」「高品質」「柔軟な相談」という言葉を使うなら、どんな条件で実現できるかも確かめます。すべての材料や数量で同じことができるわけではないでしょう。対応できる範囲と確認が必要な範囲を示すことで、相談の内容をそろえやすくなります。
確かめていない能力や納期を、強みとして約束しないことです。相手が期待を持って相談してくださるほど、実際に届ける仕事との食い違いを減らしたいですね。発信する言葉を選ぶ場に、製造や品質に詳しい人も参加できるとよいと思います。
現場の状態が見えにくいなら、必要な情報や物を使える状態に整える5S活動も、その土台になります。繰り返す困りごとをQC活動で確かめ、必要に応じてIE手法で仕事の流れを見直す。改善の取り組みを、営業の説明と離れた別の活動にしないことが大切です。
ただし、4P・4Cの表を書いたことも、5S活動を始めたことも、そのまま受注や利益の成果ではありません。考えた提供内容を実際に届けられるか、相手に役立ったかを確かめていく必要があります。まずは一つ、仕事のつながりを整えるところからです。
買う前の説明と、使った後の仕事をつなぐ
元記事では、知り、買い、使い、ファンになる流れを考えました。BtoBなら、相談候補に入り、条件を確認して発注し、使ったうえで、次も相談できる関係へ進む場面として考えられます。
もちろん、どの会社も同じ順番で進むわけではありません。試作の後で条件を見直したり、購買の担当者が別の比較をしたりすることもあるでしょう。相手が今、何を判断しているかに合わせて考えます。
製品を渡した後、仕様の情報を使えているか、困ったときに相談できるかも含めて、提供する仕事です。「売るもの」を考え直すときには、使い始めるまで、使ってからの範囲も見てください。その仕事をどう組み合わせるかは、後編で具体的な表と検証の方法へ進めていきます。
4P・4Cを初めて使うときのよくある質問
用語が分かってきても、自社へ置き換えると迷うところが出てきます。ここでは、使い始める際に押さえておきたい点を整理します。分類が正しいかだけで悩まず、相手に役立つ仕事を考えるために使ってください。
4Cで顧客視点を考えれば、4Pは不要でしょうか?
両方を使います。相手が望む価値や利便性が分かっても、会社が何を、どんな価格や条件で提供し、どう届けるかを決めなければ、具体的な仕事へ進みにくいからです。相手の事情と、自社の提供する仕組みを照らし合わせます。
4Pが古く、4Cが新しいので置き換える、という覚え方では、両方を見る意味が薄くなります。相手の困りごとから始めても、自社の提供内容から始めても構いませんが、もう片側から確かめるところまで進めましょう。
価格と顧客コストは、同じ金額ではないのですか?
商品の代金は顧客コストの一部ですが、それだけではありません。買うための確認や手配、受入れ、使い始める準備などにも負担があり得ます。値段を変えなくても、やり取りや受け渡しを整えることで、相手の仕事を助けられる場合があります。
ただし、相手の負担を減らせば、自社でどんな追加作業をしてもよいわけではありません。こちらの費用や能力も確かめ、どこまでを提供に含めるかを考えます。相手が便利になることと、自社が続けられることを一緒に見てください。
同じ商品でも、取引先によって整理は変わりますか?
変わることがあります。同じ部品でも、開発のために試す会社と、量産で継続的に使う会社では、求める資料、数量、受入れ、回答の時期が違うかもしれません。商品名だけでまとめず、相手の使う場面と取引条件を見ます。
一方で、取引先ごとに毎回すべてを変えると、自社の仕事が複雑になります。共通して提供する部分と、個別に相談する部分を分けると、相手にも社内にも説明しやすくなります。対応を増やす前に、繰り返し使える形がないかも考えましょう。
表を埋めても売れない場合は、考え方が間違っていますか?
表は判断を助ける道具であり、埋めることが販売の成果を保証するものではありません。相手の状況、競合、時期、提供条件なども関わります。まず、顧客視点の欄に書いたことを、相手に確かめているかを見てください。
また、問合せの数だけで、商品のよさや改善の成否を決めないようにします。何が伝わり、何を判断できずにいるかを聞き、次に直す点を選びます。確かめ方や、購入の前後を見渡す実践については、後編で詳しく扱っています。
まとめ|会社の強みを、お客さまに役立つ形へそろえる
マーケティングミックスは、商品・価格・販路・販促を組み合わせ、お客さまへ届ける仕事を考えるためのものです。4Pで会社の提供内容を整理し、4Cで相手にとっての価値や負担、利便性、対話を確かめます。
元記事でお伝えしたかったのは、売る側と使う側、両方の事情を同じ場で考えることでした。立派な言葉を並べるより、相手のどの仕事に役立ち、どの条件で届けられるかを説明できること。そのために、自社の技術と日々の対応を見直していきましょう。
会社ができることと、お客さまに役立つことを、具体的な仕事でつなぐ。
私は、このつながりを大切にしたいと思っています。作り手の努力や工夫が、相手にとってどんな意味を持つかが分かれば、伝える言葉も、相談の受け方も、次の改善も考えやすくなります。
まずは、最近の相談を一件選び、四つの組合せを書き出してみてください。相手から聞いた事実、自社で考えたこと、まだ分からないことを分け、一つだけ次に確かめる問いを決める。最初の一歩は、そのくらいの大きさでよいと思います。
具体的な組合せと検証の進め方は、4P・4Cの実践方法を扱った後編へ続きます。牛乳の販売シナリオと、製造業の試作・見積り・納品後の対応表を使って、自社の仕事へ置き換えてみてください。
技術の強みを、お客さまに届く提供の仕組みへ整えたい。営業と現場で考え、改善を続けられる体制をつくりたい。そのような課題があれば、株式会社 事成すの支援サービスもご覧のうえ、ご相談ください。次の改善を一緒に考えましょう。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。すべては皆さまの笑顔と元気のために。

